アヤラはもともとスペインの貴族の家柄であり、スペイン領であった南米で独立戦争を戦ったのち、コロンビアの外交官としてパリに赴任した父を持つエドモンド・デ・アヤラが、シャンパーニュ地方でシャンパーニュ造りを学んだことから彼らの醸造の歴史が始まりました。1860年にはマルイユ子爵の娘と結婚し、妻の所有していたアイのシャトーと、アイとマルイユ・シュール・アイの素晴らしいブドウ畑を手に入れました。そのクオリティは高く評価され、メゾン・アヤラは、たちまち英国などで高い人気を博しました。また、アヤラは18の名門シャンパーニュブランドが集まった、グランド・マルク組合の1882年設立時のメンバーであり、また、第二次大戦以前より、英国王室とスペイン王室御用達業者でした。2005年からは、ヨーロッパにおいて広くワインビジネスを展開するSJBの一員となっています。シャンパーニュのブドウ畑のほぼ中央に位置するアイにあり、規模的には非常に小さなメゾンです。家内工業的な経営のため、まさに「オート・クチュール」のシャンパーニュ造りを実現しています。
「ペルル(真珠の意味)」という名が示す通り、アヤラの宝石とも言えるシャンパーニュです。
ル・メニル・シュル・オジェやシュイィ、クラマン、ヴェルジーといったグランクリュから収穫されたブドウを使用し、当たり年のみに生産される最高級品です。
コルク栓をしてカーヴにて瓶内熟成(6年間)を行うため、おだやかに酸化が進み、非常に複雑な香気へと発達。
淡いゴールドに琥珀色が煌めく外観から、熟したプラムやレモンのアロマとヴァニラやバターなどのリッチな香りが混じり合います。柔らかく繊細なテクスチャーで広がる華やかな果実味の他にドライフルーツやカスタードクリーム、蜂蜜のニュアンスがあり、長く続く余韻にはほのかなスパイスを感じます。
力強さだけではなく、柔軟さと純粋さを備えて美しくエイジングした味わい。「オートクチュールのシャンパーニュ造り」と呼ばれるメゾンのスタイルに改めて心を打たれる一本です。
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