1772年にランスの銀行家であったフィリップ・クリコ・ミュイロンが、妻の資産の1つにブドウ畑があったことからシャンパン・メゾンを設立しました。2代目のフランソワ・クリコは、父の銀行業よりもシャンパン造りに夢中になります。フランス大革命の余韻が続く1798年、ランスの大富豪の娘ニコル・バルブ・ポンサルダンと結婚し、1802年には、父から受け継いだ銀行業を放棄し、シャンパーニュ造りに専念します。
しかしその翌年1803年、フランソワが突然急死し、当時27歳で3歳の娘のいた未亡人(フランス語では“ヴーヴ”)クリコ・ポンサルダンは、夫の遺志を継ぐ決意を固め、シャンパン・ビジネスを引き継ぎました。そして、処刑・暴動・革命干渉の為の外国軍の占領といった時代を乗り切り、彼女が継いだ時僅か5万本の生産量であったのが、マダムが亡くなった年には300万本を生産するほどまで、逆に社業を発展させています。
これ以外にも、マダム・クリコは、醸造技師の手を借りて、シャンパンの澱を取り除き、澄んだ美しいシャンパンを造るための研究を重ね、澱を取り除くための台「ピュピートル」と、ボトルを毎日少しずつ回転させる作業「ルミュアージュ」を開発しました。1987年に、ヴーヴ・クリコ社は「ルイ・ヴィトン」と合併し、LVMHグループの傘下で、世界120カ国以上で販売しています。
280haの自社畑を所有し、ランスの町の地下に広がるヴーヴ・クリコのセラーには、3,000万本以上のシャンパンが眠っています。そのシャンパンの特徴は、黒ブドウのよさを最大限に引き出し、ソフトで口当たりが良く、新鮮な果実香、風味豊かで滋味に溢れるシャンパンを造り出しています。
ノンヴィンテージのシャンパン、イエローラベルは、まさにヴーヴクリコ社の味とスタイルを代表するもの。ピノ・ノアールを主軸に、ピノ・ムニエとシャルドネが加えられ、鮮明なボディを持ちながらさわやかな口当たりです。辛口でフルーティな香りは、極上のアペリティフにまた魚介料理にもよく合います。
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