1818年、ビルカール・サルモンは、ニコラ・フランソワ・ビルカールと妻であるエリザベス・サルモンによってマレイユ・シュル・アイ村に設立されました。7世代にわたり、良心的な家族経営を続けつつ世界的ブランドとしての地位を確立してきた素晴らしいメゾンです。「妥協なき品質追求」「独自の手造り製法」「少量逸品主義」がモットーでありブドウは自社畑と、自社管理畑で80haを所有し、異なる40クリュ、計220haから供給されています。ピノ・ノワールとシャルドネはモンターニュ・ド・ランスとコート・ド・ブランから、ピノ・ムニエはヴァレ・ド・ラ・マルヌから収穫しています。キレのいい酸を保つことを特に重視し、畑近くにプレスハウスを設置、収穫後すぐにプレスすることを徹底して行っています。
1998年からセラーマスターとなったフランソワ・ドゥミ氏の手腕により、近年では積極的に新技術も採用。デブルバージュ(醗酵前の果汁をより清澄させる為、絞った果汁を低温でおき上澄みを取り出すこと)から発酵まで低温で管理する最新技術も導入しました。醸造は伝統を重んじブルゴーニュの小樽で行っており、ピノ・ノワールの樽熟成は、今では小規模生産者の一部が手掛けているのみで、ビルカール・サルモンのような中規模メゾンが挑戦するのは大変珍しい事です。瓶内熟成はノンヴィンテージで3〜4年、ヴィンテージワインは約10年。大規模なメゾンにはできない細かい積み重ねが、高品質シャンパーニュを生んでいます。
世界中からビルカール・サルモンの功績は称えられており、ロバート・パーカー氏の「バイヤーズ・ガイド」では、シャンパーニュの4つ全てのカテゴリーにおいて「優れた生産者」として紹介される他、1999年ストックホルムで行われた20世紀を代表するシャンパーニュを選ぶ「ミレニアム・ブラインドテイスティング」で、1959年キュヴェ・ニコラ・フランソワがトップに、1961年ニコラ・フランソワが2位に輝くというとてつもない快挙と栄誉を獲得しています。まさに人を惹きつけてやまない、個性あるメゾンである証明です。
このキュヴェは2006年より生産する醸造を木樽(オークのバリック)で行う独自のシャンパー ニュ。ラベルも木目をイメージしたデザインになっています。バリックは新樽を使わず、フレッ シュさを保つために3-4年使用したブルゴーニュのタンニンの少ないものを使っています。 オーク樽に由来する複雑味の香りも特徴です。
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